ノクターン

「私、こんなに大事にして頂いて。廣澤家の恥にならないようにしないと。洋服とか、持ち物とかも、もう安物は止めよう。」

智くんは、心地よく笑う。
 

「大丈夫。今のままの麻有ちゃんで。全然恥ずかしくないからね。でも、女の子だから 洋服とか欲しかったら我慢しないで 買っていいんだよ。」
 

「私の持っている洋服って 安っぽいかなあ。」私は急に不安になる。
 


「そんな事ないよ。でも俺は、何も着ていない麻有ちゃんが 一番好きだけどね。」

智くんはキスをする。
 



「キャッシュカードの暗証番号は 入籍の日にしたよ。1224だからね。」

私からも、智くんにキスをする。
 

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