ノクターン

渋谷の街のネオンが近付く前に レストランに着き。

メニューを選んでいる間に お父様も到着する。
 


「なんか、いいね。家族揃った感じで。紀之も智之も 親と外食なんて しなかったのにな。沙織ちゃんと麻有ちゃんのおかげだね。」


お父様の言葉は いつも温かい。

私とお姉様は 顔を見合わせる。
 


「お父様とお母様が 良くしてくださるからよね。」

お姉様の言葉に
 
「はい。本当に。感謝しかないです。」


私も強く頷いて答える。
 


「よし、よし、いい子だ。」

と樹君をあやす お父様。
 


廣澤家の男性は お酒を飲まない。

食事は穏やかに 楽しい会話で進んでいく。

たっぷりお昼寝をした樹君は 愚図ることもなく。

みんなに 交替で抱かれている。


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