ノクターン

いつもより ラフな服装のお父様は、
 
「昨日が 今年最後の忘年会で 遅かったから。」と言った。



そして、奥から 私達の婚姻届を 持って来てくれた。
 


「麻有ちゃん。今日から廣澤だね。俺とお母さんを 本当の親と思ってね。これからは 遠慮しないで どんどん甘えなさいね。」

と言ってくれる。
 

「ありがとうございます。廣澤の名に恥じないように、智くんと力を合わせて 頑張っていきます。」

私は、涙が滲んで 声が震えた。
 


「そんなに堅く考えないで。今のままの 麻有ちゃんでいいのよ。」



お父様もお母様も優しい。



こんなに素敵なご両親に 温かく迎えられて。


いつか、お父様とお母様が 私を必要と思った時に 必ず役に立てる私になろう。
 

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