ノクターン

翌日は、ボートで島に渡る。


マニャガハ島の海は もっと綺麗で。

本当に魚が泳いでいた。


海の中で遊び、ビーチで休み。
 



私達は パラセーリングをした。

ボートに引かれて 見下ろす海は 青のグラデーションで。


地に足の着かない危うさ。

上下左右に振られて キャーキャー言いながら。


低く飛ばされて 足やおしりが 水に浸かる。
 


「キャー。冷たい。」

繋いだ手を 強く握りしめる私。

智くんは 大きな声で笑う。
 


ボートの時間まで 島の海で遊び。

夕方 ホテルに戻る。

そして、食事まで街を歩く。


私達は “ 足ツボ ” という 日本語の看板の店で マッサージを受ける。

二人並んで足を押されて、悲鳴を上げながら。
 


「明日はどうする?また島に行く?」

智くんに聞かれて、
 
「うん。明日も島がいい。」

私は、弾むように答える。
 


「可愛いなあ。」

智くんは 私の肩を抱いて 髪にキスをした。



歩きながらなのに。

街中なのに。



そんな事もできてしまう

南の島の自由な空気を 


私達は、とても愛した。

 
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