ノクターン
夕方、私達は お土産を買いに行く。
智くんのご両親、お兄様の家。
軽井沢の家族。智くんの会社や私の会社。
二人であれこれ選ぶのも楽しい。
「麻有ちゃん、このバッグいいね。似合いそうだよ。」
智くんは、免税店のブランドショップで足を止める。
「素敵だね。大きさも、通勤にちょうど良いし。ちょっと値段がねえ。」
それは、お父様から頂いたお小遣いより少し高価で。
「智くん、買ってもいい?」私は、おねだりしてみる。
「可愛い。」智くんは、笑顔で頷く。