ノクターン

二人の海外旅行は、愛と絆を強めた幸せだけの時間だった。

私の心は、智くんへの愛でいっぱいだったし、智くんからも 同じように私への愛をもらった。
 

夢のような時間だった。

こんな解放感に満ちた時間を与えてもらったことで、これからの日常も、愛を込めて暮らしていける。

智くんと一緒なら。なにも辛くないと思った。
 



翌日は、早めの昼食を食べて、空港に向かう。

午後のフライトで、日本に帰る。
 

「智くん、本当にありがとう。最高に楽しかったよ。」

飛行機の中で私は言う。
 
「俺も。楽しかったよ。麻有ちゃん、ありがとう。」

なんて優しいのだろう。


こんなに楽しい時間を与えられて、それなのに ありがとう、って言ってくれる。

幸せが溢れ出て。私は智くんの肩に頭を寄せた。
 

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