ノクターン

軽井沢を出る時に、智くんがお母様に連絡をする。
 

「今日は お父さんもいるから 帰りに寄ってよ。そう言えば、タイムカプセルは あったの?」

と聞かれる。
 

「あったよ。見たい?それなら 夕食は この前の中華で手を打つよ。」

と言う智くん。
 


私達は 車の中、微笑み合う。
 

「おふくろが 見たがっていたよ。麻有ちゃん 見せてもいい?」

智くんは 聞いてくれる。
 

「ちょっと恥ずかしいけど。子供の時の物だから。見てほしい気がするの。」

私は 笑顔で頷く。
 

「俺も。子供の頃から結ばれていたこと 自慢したいし。」




智くんとは、どうしてこんなに 同じ気持ちなのだろう。




二人の間に、熱い空気が流れた。
 
 
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