ノクターン
康平とは、一時間足らずで別れた。
私は ひとまず家に帰った。
さすがに そのまま智くんを呼び出す気にはなれなかった。
部屋に着いてすぐに 智くんにLINEをした。
《智くん、今 彼と別れて 家に戻ってきたよ》
智くんは すぐに返事をくれた。
《大丈夫?》
《智くんに会いたい。ちゃんと話して別れたから》
《いますぐ行くよ。麻有ちゃんは家で待っていて。30分くらいで着くからね》
《ありがとう》
私は、ただぼんやりと智くんを待った。
《着いたよ》
ぴったり30分で 智くんは迎えに来てくれた。
私は階段を駆け下りた。
昨日 私を降ろした場所に ハザードを灯したレクサスが停まっている。
私は迷わずに助手席のドアを開けた。
智くんは、何も言わずに私を抱き寄せた。
私も智くんの胸に顔を埋める。
そして 私を離すと静かに 車を発進させた。