えっ?私が男装女子になるなんて!

「うわぁ~なになになになんなのよぉ~卓也ってあーゆう奴だったのぉ~」


私は只今ゆったり入浴中。今日は色々疲れたから奮発してライムとレモンとグレープフルーツの入った、お高いバスボム。大きな塊りごと入れると、気泡と共に中に埋め込まれた香りがバスルーム中に充満するの。爽やか~


「うーーーーーーー次会う時、恥ずかし過ぎる。どうしたらいいの?なんだろうあの濃厚な世界は……元彼?……うん!元彼だね。元彼はいつもサラッとしてて、気軽さがどこかにあった気がするんだけど……さっきの卓也は違ったような気がする……良くわからないけど、熱いものが私にまでジワジワきた……うーーーどうしょう」


バスルームは爽やかな香りに包まれているが私の心は、なんと言えばいいのか複雑。嬉しいけど困る……恋愛経験があまり無い私は、ちゃんと元彼は好きだった筈なのに、今はそこまでの気持ちが湧いてこない……って事は好きではなかったって事なのかな?昨日はあんなにジクジク痛かった心が今はそこまで痛くない。私は、嫌な奴なのかな……すぐに心変わりする子?


「あーわかんないよぉ~愛美の事は考えると心臓がすっごく痛くてもやもやするけど。元彼の事は、なんとも思わない。あ~ほんとうに!いろんな事があり過ぎて頭の中がごちゃごちゃしてるぅ~もう!考えない!気持ちのままに進むだけ!」


私は湯船の中に潜った。息の続くまで。身体中が水圧に圧迫されて息苦しい。それでも、たまーに頭まで潜りたくなる。
何故だろう??


「ちょっと!何してんのよ!!歩」


強引に身体を持ち上げられて引き上げられた。


「うわぁーっ!!あれ?びっくりしたお姉ちゃん。どうしたの今日早かったね」

「早かったねじゃあ無いわよ!あんた何してたの!!」

「えっと潜ってた」

「死ぬ気じゃなかっ」

「そんな事しないって!たまーに潜りたくなるんだよ」


私は、心配そうな顔のお姉ちゃんに要らぬ疑いをかけられない様に、キッパリと否定した。お姉ちゃんは半信半疑らしく疑いの目で未だみてる。


「本当に……なんかね。スッキリとまでは行かないけどね、彼の事は不思議と何も思わないの。愛美の事は気になるけど……なんでだろ?」

「元彼はそんなに好きじゃなかったんじゃ無いの?初めての彼氏で恋に恋してるって奴!良くあるよねーそーいうの。本当に好きなら頭から離れないし忘れられないし、隣に違う子が居るだけでイラッとくるじゃないの!笑い合ってるところなんて締め上げて握り潰してやりたいほどよ!!」

「お姉ちゃん……」

「あーこれは私の経験ね!お母さんが長風呂で心配してたわよ。早く上がりなさい、ご飯もできてるわよ。私もお腹空いたわ~」

「うん!すぐ上がる」

「あとさぁ、久しぶりにあんたの裸見たけどさ……胸、順調に育ってんじゃん!大きさはもうちょい欲しいとこだけど形はいいんじゃない!頑張って育ててね」

「おねーーーーーーちゃあーーーん!」


お湯をぶっかけたけど逃げられた。もう!あの人はどうしようもない!!まあいいや、お腹も空いたしあったまったからあがろ」


美味しいご飯を食べて、明日への英気を養おう!!バイトにも書類も集まったし行ってみようかなっ


「がんばるぞー」
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