屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
まるで 舞台の上
何処か 役者じみた仕種で拡げた両手
新月の様な
薄く開いた 笑う口元
「 ――― やあ、我が弟ぎみよ!
すっかりお前も、愚者の一員だねえ 」
――― 弟…?
「 助けを呼んでも誰も来ないよ
少しづつ、少しづつ…
もうこの近所にはね
俺の息がかかった奴らしか
誰ひとりとして住んでないんだ
さあ、帰るよ…?ルウ
お前は、お外で遊ぶのが大好きだけど
… いい加減今回は、少し遅すぎだね 」
「 いや…!」
「 ――― なぜ。
お友達にバイバイして
早くこっちに来なさい 」
「 私…!!
リュウジが好きなんだよ…!
ずっと、ここにいたいの…!!! 」