屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
「 遠矢
お前は背中を向けて
両手を頭の後ろで組め
そして床に伏せろ
―――― そう…それでいい
安心しろ ルウ
青山の事、ハンパには撃たないよ
即死でも無ければ平気で暴れそうだし
――― 俺もそれなら本気でやる
こいつが手加減なんか
一切出来ない位にね…
その結果どうなるのか
『あの時』だって、ルウ
それが判ってたから ―――
青山を犯罪者にしたくなくて
あの女に、ワザと自分から
刺されに行ったんでしょう…? 」
「 ―――… 」
「 "何で知ってるの?"
そんな顔してるね、ルウ
当たり前だろう?
俺がお前を育てたんだ
… 何を考えて、何をしたかなんて
手に取るようにわかるんだよ…?
あは
気付いてなかった阿呆面との
表情の対比が面白いなあ…
だからあ…
そうだな、やっぱり
青山が一歩でも動いたら全弾…
そのヒヨコ色の頭に撃ち込んであげる
そしたらこいつは確実に
俺の事を殺してくれるだろう
… さあ、ここからは
医者の不養生ターイム
このままでいればセンセイ
失血死しちゃうかもね? 」
「 ハルト……
どうしたら…許してくれるの… 」
「 どうしよう?
ちょうど昼ドラタイム
エンターテイメント的に
青山が見てる前で
セックスでもする? 」
「 …別にいいよ
一回やったら
誰とやっても同じだって聞 ――― 」