涙の数だけ
「…………先生」
涙を零しながら走る新垣。
俺の横を通り過ぎようとした。
ただ俺は通さなかった。
俺はお前を探していたんだ。
さっき、岡田先生を呼びとめたとき横を通っていた新垣は泣いていた。
「ゆずが…ゆず、探してください!」
そう言われて我に返った俺は新垣探しに出た。
で、今やっと見つけたんだ。
新垣は俺の腕を振り払おうとする。
野球、バスケ、テニス…
今までたくさんのスポーツをしてきた新垣の力は強い。
そう思っていたのに振り払おうとした腕の力はものすごく弱くて。
かなり精神的にも弱っていることがわかった。
俺は無理やり壁に押しやる。
不器用な俺はこんな強引なやり方でしか何もできない。