『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
早く終わったから
玄関に小林くんはまだいなかった
「誰か、待ってるの?」
先生に聞かれた
知ってるくせに…
私は答えなかった
「立花さん、傘、あるの?
一緒に帰る?」
胸がギュッてなった
なんでそんなこと言うの?
ずっと言わなかったのに…
「傘、あります…」
「そっか、じゃあ、さようなら…
気を付けて帰れよ!
ゲホ…」
「先生…」
一緒に帰りたい…
「…ん?」
「コレ…」
私はポケットに入ってたのど飴を
先生に渡した
「あぁ、ありがとう
早く、治す…」
「先生、ひとりで大丈夫ですか?
彼女、来てくれますか?
お粥、作れる?」
なに私、必死に心配してるんだろ…
「ゲホゲホ…
子供じゃないから、大丈夫
ゲホゲホ…」
先生は苦しそうに笑って言った