『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

「なんで、今日、来たの?
傘、なかったから?」


先生がタバコを吸いながら聞いてきた



別に車で送ってほしかったわけじゃない



駅までだったら、雨降らなかったかも…

ここに来る途中で降ってきた



きっと


「…先生に、会いたかった」



いつものことだけど

先生は、私の言葉を無視した




「先生…私のこと、避けてる?」



「いや…別に…」



「学校行っても、先生いないから…」



「…偶然、会わなかったね」



「じゃあ、今日は?行った?」



「午後から行く
教師って夏休みがあるからいいなって
子供の頃ずっと思ってたけど
夏休みもやることあるから忙しんだよね」


先生は、ダルそうに言った



飲んだから送れないって
さっき言ったのに…


午後から行くって…



どっちが、嘘?





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