『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
ドーンドーンドーンドーン…
先生が部屋の電気を消した
いつの間にか外も暗くなってた
月明かりで手元が見えた
先生はまた
お酒じゃないビールを飲んでた
「本物、飲まないんですか?」
「うん、帰り、家まで送るよ」
「ひとりで帰れるから
先生、飲んでいいですよ」
「んー、立花さんと一緒にいる時は
なんか、飲みたくない」
「なんでですか?
私が子供だから?」
「いや…」
「先生、酔うと、どーなるの?」
「そんな、変わらないと思うけど…
あ、なんか適当に食べて」
先生はコンビニの袋から
買ってきた食べ物を出した
ドーン…ドーン…ドーン…
「先生と花火見れて、よかった…」
「近くまで行けなくて、ごめん…」
「先生の近くにいれれば
どこでもいいです」
また返事はなくて
先生は私から離れてタバコを吸った