『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
夏休みの課題がいよいよ終わらなくて
先生のアパートに課題を持ってきた
自分の家でやってればいいのに…
先生に言われるかなって思ったけど
先生は言わなかった
「あとどれくらい?」
「あと1/3ぐらいかな…」
「大変だね…学生って」
「先生、手伝って…」
「ダメ…」
そう言ったけど先生は
わからないところを教えてくれた
先生に美術以外を教えてもらうのは
なんか不思議だった
真剣に問題を読む先生はかっこよかった
先生に見惚れてて怒られた
「せっかく教えてるのに
聞いてんの?」
「え、あ、はい…
先生、もぉ1回…お願いします」
「もぉ…オレも限界だから、休憩しよ…」
「先生、疲れましたか?」
先生の顔をのぞき込んだ
「…立花さんさぁ、前も言ったけど…
無自覚だよ…」
「え…?」
「キスしたくなる…
かわいくて…」
ーーー
唇と唇が重なった
先生の腕に包まれた
ドキドキした
「先生も、ドキドキしますか?」
「するよ…」
「大人でも?」
「するよ…
だって、こんなに近くにいたら…」
ーーー
「先生、今日、タバコの味しない…」
「今日、タバコ買ってない」
「じゃあ、いっぱいキスしたくなる?」
「…なる」
ーーーーー
「…先生、好き…」
ーーー
「オレも好きだよ…」
ーーーーー
いっぱいキスしてくれて嬉しかった
「立花さんの味がする」
ーーー
「ジュース飲んでるみたい」
そう言って先生は笑った