『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
私はパレットに色を出した
黒…
白…
キャンパスに筆を置いた
あの時…先生が買ってくれた筆
先生と同じ筆
黒と白
青空は一瞬にして夜空になった
満開だった桜は
春の嵐の中
散って地面に落ちた
久しぶりに絵に夢中になった
描き上がった時
外は真っ暗だった
ずっと描いてた天気雨の桜は
なくなってた
私の目から涙が落ちた
手で触ったら…
黒い涙だった
さようなら…
掌から
黒いアスファルトに落ちた
白い桜の花弁を思い出した