『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

「先生、美術展の絵、変更します」


次の日の放課後
先生に申し出た



「いつの間に描いたの?
まぁ、まだ間に合うから、いいわよ」



先生に絵を見せた

先生は絶句した



まるで化物を見るみたいに…



「これ…ホントに立花さんが描いたの?」



「はい」



「だって…
今までのあなたの絵と
ぜんぜん違う…」



「見る人が見たら、わかります」




見る人が見たら…

水嶋先生なら、わかるよね



私が描いたって気付いてくれるはず



きっと伝わる

絵から伝わる

私の気持ち




私は
戻ってきた水嶋先生の肖像画を抱きしめた





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