『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

シャワーを浴びて
先生が貸してくれた服を着た



先生の匂い…
懐かしい



あの日に戻れないのかな…


あの日の続きは、できないのかな…




「飲む?」

首元が冷たくなった



先生がシャワーを浴びて
またビールを持ってきてくれた



「いただきます」



テレビをつけたら
桜の開花宣言のニュースだった



「今年も見に行くの?」

先生が言った



「…桜見ると、いつも先生思い出してた」



「オレも…

外国にいても…何年たっても…
桜が咲くと立花さん思い出してた」



先生、ホントに…?


先生がいなかった年月が
少しだけ埋った気がした



「先生…また一緒に桜見たい…」



「うん…行こうか…」



タバコを吸いながら先生は言った




< 294 / 344 >

この作品をシェア

pagetop