『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
シャワーを浴びて
先生が貸してくれた服を着た
先生の匂い…
懐かしい
あの日に戻れないのかな…
あの日の続きは、できないのかな…
「飲む?」
首元が冷たくなった
先生がシャワーを浴びて
またビールを持ってきてくれた
「いただきます」
テレビをつけたら
桜の開花宣言のニュースだった
「今年も見に行くの?」
先生が言った
「…桜見ると、いつも先生思い出してた」
「オレも…
…
外国にいても…何年たっても…
桜が咲くと立花さん思い出してた」
先生、ホントに…?
先生がいなかった年月が
少しだけ埋った気がした
「先生…また一緒に桜見たい…」
「うん…行こうか…」
タバコを吸いながら先生は言った