縁の下の恋


一理はある噂を聞き込んでいた。



リョウが、アメリカへ発つ前に由衣と結婚をする…ということを。



「いえっ!どうしてもこの目で見ておきたいんです!お願いします!最終日だけでも……」



「分かった。都合はつけておくから、テレビ局へも連絡しておくから、アリーナの二日間頑張ってくるんだな!」



「わがまま言って申し訳ありません!」



結城は、もう既に一理の気持ちに気付いていた。



一理には、どうしても信じることが出来ないでいた。


しかし、リョウにはリョウの事情があるに違いない。


自分にはもうどうすることも出来ない。



ただ、誰にも知られずに、自分の胸にこの思いをしまっておこう…



リョウが、熱烈なファンの前で思いっ切り燃焼する姿を…ただ一筋のスポットライトに照らされて光輝く様を、見ていたい…


リョウに想いを…それはっ、しない方が良い。してはいけないこと。
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