縁の下の恋
「そのことは…私も、きちんとうかがいました。仕方の無い事です。でも最大限自分なりに努力しようと思ってますから。なるべく早く退院できるよう、そして一日でも早く元通り仕事出来るように頑張ろうって、思っています。リョウさんは、そんなぁ、私のことなんて、気になさらないでください!たかだか、一人のスタッフが怪我をしたくらいのことを…」
「………」
リョウは、自分の表情が一理に見えないことで、辛い顔を見られずにいて良かったと思っていた。
どうして…こうも自分を差し置いてまで、僕のことを送りだそうとしてくれるのか…
「リョウさん?世界の何処へ行かれても、きっとリョウさんなら、成功されますよ!私のことなんて…心配要らないですからぁ、予定通りにアメリカへ出発してください!行かれますよね!…リョウさん?」
「ああっ、必ず行くよ!…だから…君も、必ず元通りの君になってくれるね?」
こう言うしか無いのだろうか?今自分にしてあげれることは、無いのだろうか。