縁の下の恋
一理は、結城が帰ったその晩はなかなか眠りにつけなかった。
朝日が眩しく思いとうとう眠れずに朝を迎えてしまった。と思った矢先…
「コンコン…」
「はいっ…
どうぞー」
ドアを開けて誰かが入って来た。
「いちり…さん」
いちりは、信じられずに、返事が出来なかった。
「まだ…痛いよね?どうっ!昨日も眠れたの?肘…動かせなくて、大変だよね?」
「…(眠れずにいたことなんて、言えない)あっ!眠れましたよ!そんなことより、リョウさんっ、何でこんな所に…」
「僕のコンサートの準備で、こんな大変な怪我をしたんだから、見舞いにくるの、当たり前だろ?…」
「そんな……私は、渡辺さんから、コンサートが無事終わったことを聞きましたから…大丈夫ですよ!そんな…リョウさんがわざわざ、お出でにならなくても…それに、リョウさんっ、アメリカへ行かれるのでしょ?」
「………」
「リョウさん?最終公演、無事終わられたんですから…もう、発たれますよね?」
「そのことは…それより、今担当の先生に少し訊いて来たのだけど、暫く退院できないって訊いてきたんだ。」