戀のウタ
「では白河巡査、これより管警局へ出頭します!」


 姿勢を正し踵を揃え敬礼してみせると森川は新聞越しに「真面目だねぇ」とぼやいた。


 森川の言う『真面目』という言葉にほんの少し違和感を感じたがすぐにその考えを追い出した。

 真面目さ故の行動では無いから。

 ――全ては『為すべき事』の為だけに。


 白河は敬礼を終えると踵を返し奥のロッカールームへと急ぐ。

 その忙しない背中を見ながら森川は新聞を片手に「急ぎならパトカーで送るぞ」と声をかけた。
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