授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
第六章 プロポーズと告白
ベーカリーカマチの看板娘もそこそこ板についてきた今日この頃。

爽やかな風が新緑の間を吹き抜け、肌に心地いい日が続いていたある日、聖子が元気な男の子を出産した。

今日はベーカリーカマチの定休日。『赤ちゃんを見に来て欲しい』とさっそく聖子から招待されて、黒川さんも一日休みだったため、ふたりで彼女の家へお邪魔することになった。

「この紙袋の中身、ずいぶんお土産が入ってるみたいだな。これってコーヒーだろ? いいのか?」

「あ、それ、カフェイン無しのデカフェコーヒーなので、妊娠中でも産後も楽しむことができるんですよ。あとは、乳腺炎予防のために脂肪分や糖分控えめの和菓子と……って、全部ネットで調べたことなんですけど」

手土産を物珍しそうに紙袋から覗き込んで、黒川さんは「ふぅん」と鼻で相槌を打つ。

「あとは常温保存できて手軽に栄養補給できる野菜ジュースとか、果物は皮を剥いたりするのが手間かなって思ってフルーツゼリーとかが入ってます」

歩きながらそう説明していると、黒川さんが不意に私の顔を見てやんわりと目を細めた。

「? どうしたんですか?」
< 105 / 230 >

この作品をシェア

pagetop