授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
けど、あんな美人な人が黒川さんと一緒の事務所にいるなんて……って、なに考えてるんだろ。

「菜穂ちゃんってば、心配してるの?」

「え?」

ふっと胸に湧いたものが知らず知らずのうちに顔に出ていたらしい。弥生さんに顔を覗き込まれ、ハッと背筋を伸ばす。

「あんな美人が黒川先生と一緒の職場で『えっ! やだ! 不安!』って顔してるわよ?」

思い切り胸の内を見透かされて言葉が出なくなってしまった。「大丈夫です」とようやく出た言葉も口元で小さく消える。

「黒川菜穂になるんでしょ? 自信持ちなさい」

「……はい」

ニコニコと明るく笑う弥生さんにつられるように、私もうっすらと笑みを浮かべた――。
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