授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
寒気を感じてブルッと身体を震わせると、浮き沈みしていた意識が徐々にはっきりしてくる。

「朝……? 痛っ」

締めたカーテンの隙間から日の光が射しこんでいる。ベッドの上でぼんやり目を覚ますと次の瞬間、頭が割れるような頭痛に襲われた。

昨夜、お酒は飲んでいないはずだけど、まるで二日酔いみたいな感じがする。それに身体も重だるいし、しっとり汗もかいていた。すぐそばにあるスマホに手を伸ばして時間を確認すると、すでに十時を回っていた。

「ッ!? 大変! 仕事!」

毎朝八時にセットしてあるアラームにも気がつかずに寝過ごしてしまったみたいだ。弥生さんと黒川さんからも何度か着信が入っている。

こんなこと今までなかったのに……

ベッドから飛び起きて数歩歩いたところで目の前が急にグニャリと歪み、そのまま膝から崩れ床に倒れこむ。

やだ……なにこれ、仕事に行かなきゃいけないのに、身体が……動かない。

呼吸をするのも辛くて胸を大きく上下させる。そのうちだんだんと頭がぼーっとしてきて瞼が重たくなっていく。スマホが鳴っている音が聞こえるけれど、それもものすごく遠くに感じた。身体を起こす気力もなく、私はそこで意識を手放した。
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