授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
「そうですか……わかりました」
香帆さんは私の意思を聞き届けると、それだけ言ってお膳を手に部屋を後にした。
あぁ、やっぱりわかってくれなかったのかな……。
子どもの頃から我がまま聞いてもらって迷惑かけてたし、大人になっても変わってないって……呆れられちゃったかも。
ぼんやりハンガーにかけられたドレスを見つめていると、ノックもなしに誰かと思えば再び香帆さんが部屋に戻ってきた。
「香帆さん?」
彼女はいつになく神妙な表情をしている。時々視線を左右に泳がせ、何か言いたげな様子でベッドの縁に座る私の元へ歩み寄ってきた。
「これを」
素早くポケットから取り出された物を見て私は目を見開いた。
「私のスマホ……」
目を大きくさせたまま香帆さんを見ると、彼女がにこりとして私の前に屈む。
「菜穂さんの強い気持ちを聞いて気が変わったんです」
「でも、お父さんに見つかったら……」
「旦那様の書斎の机の中にしまってありました。見つかったら……クビですね。ですから、申し訳ありませんがスマホを渡すわけにはいきません。五分だけ待ちます」
五分……。
香帆さんは私の意思を聞き届けると、それだけ言ってお膳を手に部屋を後にした。
あぁ、やっぱりわかってくれなかったのかな……。
子どもの頃から我がまま聞いてもらって迷惑かけてたし、大人になっても変わってないって……呆れられちゃったかも。
ぼんやりハンガーにかけられたドレスを見つめていると、ノックもなしに誰かと思えば再び香帆さんが部屋に戻ってきた。
「香帆さん?」
彼女はいつになく神妙な表情をしている。時々視線を左右に泳がせ、何か言いたげな様子でベッドの縁に座る私の元へ歩み寄ってきた。
「これを」
素早くポケットから取り出された物を見て私は目を見開いた。
「私のスマホ……」
目を大きくさせたまま香帆さんを見ると、彼女がにこりとして私の前に屈む。
「菜穂さんの強い気持ちを聞いて気が変わったんです」
「でも、お父さんに見つかったら……」
「旦那様の書斎の机の中にしまってありました。見つかったら……クビですね。ですから、申し訳ありませんがスマホを渡すわけにはいきません。五分だけ待ちます」
五分……。