授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
「お父さんが帰ってきたみたい。香帆さん、本当にありがとう」

「旦那様にはどうかご内密に」

「ええ、わかってる」

部屋のドアを閉める。背中に扉を押し付け、先ほどの黒川さんとの会話を頭の中で反芻しながら、はぁぁと長い息を吐いた。

紗季さんとのことは私の馬鹿な誤解だった。彼は今でも私を愛してくれている。けれど、別の男とは結婚させる気はないって言っておきながら、婚約パーティーには来てくれと言われ、理解に悩む矛盾を覚えた。

黒川さんには黒川さんなりの考えがあるはず……だから、今は彼のことを信じるしかない。

どんなことがあっても――。
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