授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
「こんなもの渡したところでその場で破棄される可能性は十分にあったというのに、黒川君はそれをわかってて婚姻届を私に預けたんだ」

「どうしてそんなことを?」

すると、黒川さんは満面の笑みを浮かべ、自信たっぷりに答えた。

「俺のことを信じてもらうためには、俺がまず松下検事自身を信じなきゃダメだろ? それをわかってもらうためだ。この婚姻届は必ず君の元へ渡されるって、そう信じてた」

「まったく、君はずるい男だな……」

困ったように笑って肩を竦めると父が改まった。

「とにかく、君たちには色々迷惑をかけた。黒川君、私の娘を生涯かけて守り愛し抜くと、誓うか?」

父は笑みを消し、真剣な表情で問うと、黒川さんも同じように真摯な眼差しを父に向けた。

「はい。誓います」

「では、二人の結婚を認めよう。その言葉を聞ければ十分だ」

え、今、なんて?

あんなに頑なに黒川さんとの結婚を認めない、と言い張っていたのに。信じられなくて目を瞬かせる。

「お父さん、それほんと!?」

「ああ、男に二言はない。それに孫の顔を見る楽しみもできたしな……ああ、黒川君それともうひとつ」

「はい」
< 221 / 230 >

この作品をシェア

pagetop