授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
「けど、案の定、初めは全然話を聞いてくれなくてね「なぜ君がここにいるんだ!?」ってお義父さんにすごい剣幕で怒られた」

「うぅ、その節は父がすみませんでした」

その後のことは黒川さんの口から聞かなくても想像がつく。頑固な父の頭を柔らかくほぐすのに、相当苦労して説得してくれたに違いない。

「あんな短時間で父を説得できるなんて、おそらく黒川さんにしかできないと思います」

「正直、間一髪ってところだったな。板垣刑事が君に手を出す前に間に合ってよかった。それにお義父さんも自分のことを頑固者って言ってたが、話せばわかってくれる人だよ」

余裕の笑みを浮かべる黒川さんは頼もしい。この人が旦那様ならきっとこの先なにがあっても大丈夫だ。

「菜穂、前にもプロポーズしたけど、もう一度君に誓うよ。必ず幸せにする。生涯愛し抜く。色々あったが、君の気持ちは……今でも変わってないか?」

私を熱く見つめる彼の目を見ていると、もう一度あの天にも昇るような多幸感が蘇ってきて、今度こそ黒川さんと結婚して幸せになれるのだという実感が湧いてくる。

「はい。変わってません」

一拍置き、ゴクッと喉を鳴らして答えた返事はすでに涙声になっていた。

「ありがとう。菜穂、愛してる」

「私も、愛してます」

引き寄せ合うように互いの唇が重なり合って、ふたりでやっとたどり着いた幸せの絶頂は船から見える夜景の瞬きのように美しく輝いていた――。
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