授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
「せっかく今度こそ仲良くなれると思ったんですけど……」

「ムカつくこと言われたっていうのに彼女のことを許せるなんて、君は優しいんだな。まぁ、元々カリフォルニア州の弁護士資格も持ってたし、海外で仕事がしたいっていつも言ってたから、いい機会だったんじゃないか」

紗季さんはあんなふうに言ってたけど、事務所を辞めた本当の理由って、もしかしたら黒川さんを忘れるためだったのかな……。

「菜穂? どうした?」

「あ、いえ、何でもないです」

ふるふると首を振って勝手な憶測を胸の中にしまい込み、ポストカードに目を通した黒川さんに微笑むと、私の好きな彼の笑顔が返ってくる。

「今夜はナポリタンでいいか? 昨日、レシピを見ながら何度も頭の中で練習したから大丈夫だ」

「ナポリタン、いいですね。美味しそうです。あ、私も手伝います」

「いいから、君は座って待っててくれ」

最近になってわかったことだけど、今までまったく料理をしなかった。と言っていたわりには実際、慧介さんが作ってくれる料理はすごく美味しくて、掃除も私よりも完璧にこなす。

「もう、慧介さんは私を甘やかしすぎですよ。この間だって――」

「いいんだ。君のことを甘やかすことができるなんて、最高じゃないか。生まれてくる子どもにも、うんと甘やかすつもりだ」

はぁ、子煩悩なパパになりそうなのはいいんだけどね……。
< 229 / 230 >

この作品をシェア

pagetop