授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
「引っ越し? なんだ、それならうちの店の二階使って」
そんな私の懸念をいとも簡単に吹き飛ばし、聖子はにこりと笑った。
今住んでいるところから浅草にあるベーカリーカマチまでは少し距離がある。駅から離れているということもあるけれど、どのみち今住んでいるマンションを出ていかなくてはならないことを話すと、なんと家賃光熱費ゼロで店の二階にある部屋を提供してくれた。
「元々結婚する前から旦那と一緒に住んでたんだけど、子どもができたら手狭になるでしょ? だからもう少し広いマンションに先月引っ越したのよ、両親も近くに住んでるし。だから二階は今空き家になってるの。だから金銭的にも問題ないと思うんだけど」
「あぁ、聖子が女神様に見える……」
会社をリストラされてからというもの、良い事なんて何ひとつなかった。それが今、ようやく救いの手が差し伸べられようとしているのだ。そのチャンスを取らない手はない。
「聖子、メロンパン焼きあがったから並べてちょうだい。あら、菜穂ちゃん来てたのね、いらっしゃい」
いつまでも長話している娘に痺れを切らせた聖子のお母さん、弥生さんが厨房から出てくると、私の顔を見るなりにこりと笑顔になった。
背格好は聖子に似ていて小柄で少しふくよかで、肝っ玉母さんみたいな優しい人だ。そういえば、学生のときによくあんパンをおまけでくれた。それ以来、この店のあんパンは私の大好物になっている。
そんな私の懸念をいとも簡単に吹き飛ばし、聖子はにこりと笑った。
今住んでいるところから浅草にあるベーカリーカマチまでは少し距離がある。駅から離れているということもあるけれど、どのみち今住んでいるマンションを出ていかなくてはならないことを話すと、なんと家賃光熱費ゼロで店の二階にある部屋を提供してくれた。
「元々結婚する前から旦那と一緒に住んでたんだけど、子どもができたら手狭になるでしょ? だからもう少し広いマンションに先月引っ越したのよ、両親も近くに住んでるし。だから二階は今空き家になってるの。だから金銭的にも問題ないと思うんだけど」
「あぁ、聖子が女神様に見える……」
会社をリストラされてからというもの、良い事なんて何ひとつなかった。それが今、ようやく救いの手が差し伸べられようとしているのだ。そのチャンスを取らない手はない。
「聖子、メロンパン焼きあがったから並べてちょうだい。あら、菜穂ちゃん来てたのね、いらっしゃい」
いつまでも長話している娘に痺れを切らせた聖子のお母さん、弥生さんが厨房から出てくると、私の顔を見るなりにこりと笑顔になった。
背格好は聖子に似ていて小柄で少しふくよかで、肝っ玉母さんみたいな優しい人だ。そういえば、学生のときによくあんパンをおまけでくれた。それ以来、この店のあんパンは私の大好物になっている。