虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない
百年前なら、まだそれほど代替わりはしていない。出身国に親族がいるだろう。

どこの国の出なんだろう。

続きを読んだものの、その辺りについては触れられていなかった。

リッツ家はカレンベルク王国で順調に商売を続け、規模を拡大し多大な資産を手に入れた。

そして先代当主の時代に、当時の国王から男爵位を与えられ、貴族の仲間入りをした。

現当主はエルマの弟で、リッツ商会の当主でもある。

リッツ家の小さな領地の経営は人に任せ、自分は商会の仕事に専念しているとか。

当主に特に不審な点はないけれど、リッツ家が元はどこの国から来たのかと、インベルとどんな関係があるのか気になる点がある。

だけどこれ以上の情報は、今のところ手に入らなそうだった。

直接エルマに聞いたところで答えるはずがないし、むしろ怪しまれるだけだ。

下手に動けないけれど、調べた情報は心に留め置いておこう。



その後、フランツ夫人のアドバイスを受けながら定期的にお茶会を開き、交流と情報収集を続けていた。

招待客は固定して来ているから、大分打ち解けて気安く会話が出来るようになっていた。

人脈を作るという目標はそれなりに上手く進んでいる。

それとなくバルテルについて話を振ってみたけれど、誰もインベルの件については知らないようだった。

王宮内でもだけど、インベルなんて名詞事体が出て来ない。
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