虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない
その一方で、ベルヴァルト公爵家について調べようと決心した。

まずは一番疑わしいエルマから。

経歴だけど、アリーセの母が亡くなる前は、公爵が用意した郊外の屋敷に住みそこでユリアーネを産んだと聞いている。

その後後妻としてベルヴァルト公爵家に入ったのだけれど、エルマと公爵が出会ったきっかけは何だったのだろう。

エルマの実家はリッツ男爵家という新興貴族。

でも、社交界ではあまり存在感がないようで、お茶会の招待客リストにも、その家名は出て来なかった。

そこで王宮の図書室から国内貴族についての資料を借りて来た。

階級の低い子爵と男爵は、上位貴族と比較して人数が多い。

地道に膨大な資料の中からリッツ男爵家に関する情報を引き出した。

それによると、リッツ男爵家は元は豪商リッツ商会の創業者で、他国との貿易を行っていたそうだ。

かなり手広く商売をし、国内では唯一インベル王国と取引をしており……。

読み進めていた私は思いがけない情報に驚き息を呑んだ。

不穏な動きをしているインベルと、エルマ様の生家に関わりがあるなんて。

嫌な予感が湧き上がる。

直ぐにリッツ商会について書かれている資料を探す。

今から百年前。他国の商人がカレンベルク王国を訪れそのまま店を立ち上げた。これがリッツ商会のはじまりである……え? リッツ家は元々他国の家なの?
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