続・隣人はクールな同期でした。

『病院に向かうね』と
最後に付け加え電話を切ったタイミングで
ちょうど警察の方の事務処理も終わっていた。


「スマホを貸してもらって
 ありがとうございました。
 本当に助かりました」

「う、ううん…大丈夫」


改めてお礼を言いながら本人にお返しすると
どうにもギクシャクとした反応。

電話の相手がジンだった事に
余程驚いたのか
それともショックだったのか
困った様子で複雑そうに見えた。

それが理解出来るだけに
目の前で電話をしたのは申し訳なかったなって思う。
それも借りたスマホからだし…。


「電話の相手って…
 ジンくん?」


わざわざ聞かなくても…とは思ったけれど
訊ねられたから答えるしかなくて。


「…はい」


もちろん彼女の反応は
絵に描いたような“ガーン”と青ざめ
更に衝撃を食らったって顔をしている。

それなのにまだ聞いてくる。


「彼と…同じ職場なの?」

「え…」


知らなかった事に驚いた。
もうすでにジンが話したんだと思っていたから…


「病院に…来るの?」


知りたい事がいっぱいなのか
質問攻めだ。
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