続・隣人はクールな同期でした。

「風見、悪いけど
 人の女を口説くのやめろ」


・・・ジン!?


『下がってろ』という意味なのか
スッとアタシの前に手を出し阻止。
風見くんの間に壁を作るようにしている。

そんな事をされたのは初めてで
思わずドキッとしてしまった。


「え…人のって…
 もしかして!?」


ビックリして目を丸くしている風見くん。
アタシとジンを交互に見ながら驚いている。


「セツナさんと副編集長
付き合っているんですね!」

「ちょっと声が大きいな、風見くん」


ドキドキしている場合じゃなかった。

付き合っている事は会社に内緒にしているワケではないし
バレたらバレたで仕方ないくらいの気持ちだったけど…
特に結婚とかではないから
あえて“入院中に恋仲関係になりました。”って
公表はしないと2人で話し合ったはず。

なのに自ら公言しちゃったね。


「そういうワケだから
 ナンパするなら他所へ行け。
 気安く近付くな。
 それと馴れ馴れしく名前で呼ぶな」


殺気立った只ならぬ“気”を放ちながら
憎悪の籠った鋭く切りつけるような目つきで
年下くんに圧力をかけるジン。


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