続・隣人はクールな同期でした。
そんな俺様キャラだったっけか?
彼氏になるとそういう感じになるの?
…喜ぶべき?
だけど何もそんな警戒しなくても…
それに初日から上司に鬼のような形相で睨まれたら
さすがに新人の年下くんだって怖がって…
「あ、そうなんですねぇ~
理由は了解でーす!」
・・・なかった。
むしろ全然響いていないのか
ずっとニコニコと笑顔のまま。
どんな鋼のメンタルよ?
「はぁ…。
まぁいい。
風見、編集長が呼んでるからもう行け」
先に音を上げて諦めたのはジンの方。
さっきまでの勢いとは裏腹に
殺伐とした熱気がもう冷めているのがわかった。
相手が手強かったんだろう。
このまま何もなく『お疲れ』って別れれば
事なきを得るモノを
そうしてくれない年下くんの若さ。
「付き合ってるのはわかりましたが
セツナさんとはまた病院でも会いますし
これからは仕事でもお世話になりますから!
仲良くしてくださいねッ?セツナさん!」
まるで宣戦布告のような発言をジンに
同時にアタシにも記憶に定着させるような言葉を残し
手を振り去っていってしまった。