続・隣人はクールな同期でした。
そうだった…
何をアタシはすっかり警戒を解いていたんだろ。
そしてどうして今更
目が覚めて気が付いたんだろう。
いくらジンと泉海さんの関係に悩んでいて
それ以外頭に入っていなかったとは言え
彼の言動に気を抜いていた。
“このコは危険要注意人物”
それなのにベンチに一緒に座り
呑気に笑顔で普通に喋るなんて…
アタシは何をやって―――
「セツナさん…」
「え…」
ほんの一瞬
僅か数秒の出来事だった。
呼ばれて顔を上げると
いつの間にベンチから立ち上がっていた風見くんの顔が近づいてきて…
あっさりと唇を奪われてしまった。
完全にフリーズしてしまったアタシに対し
ゆっくりと唇を離した彼が言う。
「狙ってる男の前で
隙を作っちゃダメですよ」
と―――
嘘…最悪…
このコに…キスされた…
あまりの衝撃にビックリして
アタシは自分の手で口元を覆い
言葉が出てこない。
だけど本当の地獄は
その後だった。
「お前…」
見られていたんだ。
1番、知られたくなかった人に―――