続・隣人はクールな同期でした。
「ジ…ン…」
『驚いた』
そんな言葉じゃ言い表せられないくらいの大打撃。
そして同時に感じる強い喪失感。
“アタシ達は終わった…”
ジンとの関係に
終止符を痛感してしまったのだ―――
「テ…メェ…
コイツに何しやがった!!」
頭に血が上り我を忘れたジンは
発狂に似た叫びで
風見くんの胸倉に掴み掛かり…
「…ッ」
今にも殴りそうな勢いに
風見くん自身もその衝撃を覚悟するかのように
強張った表情を浮かべている。
そんな瞬間を目の当たりにしたアタシは
咄嗟に…
「ジンっ!
やめなって!」
殴り掛かる寸前のジンの腕を掴み
2人を離すように、間に立ちはだかってしまった。
学生時代の喧嘩とは違う。
今こんなところで相手にケガなんて負わせてしまったら
ココで働けなくなるかもしれないし
それどころか
これから先の職だって危うい。
大袈裟かもしれない。
だけど彼氏にそんな思いをさせたくなかった。
「セツナ、そこを退け」
無機質な表情に
突き刺さるような冷たい視線で
目は据わっている。