ノクターンⅡ
ビジネスクラスは ロビーもゆったりしていて。
私達は、搭乗までの時間も 寛いで過ごす。
機内食が出る前に 眠ってしまうだろう子供達に 軽く食事をさせたりして。
カルチャーショックに、緊張気味だった父と母も次第にリラックスしていく。
「絵里ちゃん、だんだん麻有ちゃんに似てきたわ。」
妹と手遊びをしている絵里加を見て母が言う。
「そうかしら。この間、お母様にもそう言って頂いたの。私は智くん似だと思うけど。」
私が言うと
「話し方とか、しぐさが似ているよ。俺も今日、思った。」と父も同意する。
「絵里加も壮馬も、麻有ちゃんの要素が たっぷりだよ。だから可愛くて、癒されるんだよ。」
智くんが言ってくれる。私の胸は 熱くなる。
子供達は、私達の愛の証し。
智くんと私の、すべてを受け継いでいるから。
愛おしいに決まっている。
どんなに疲れていても触れたくなる。
触れれば、癒される。
私の愛が迸るように、智くんの愛も溢れ出て。
私達は、同じ心を持っていると実感する。