ノクターンⅡ

お昼までの時間、水遊びに満足した子供達は 着替えて昼食に行ったホテルでも とてもお行儀がよい。



「夕食は、お船の上で食べるよ。綺麗な夕日が見えるからね。それまで、みんなでお昼寝しようね。」

ランチの後、お兄様が言うと 子供達は 素直にベッドルームに入る。
 
「みんなも 少し、眠ろうよ。あとから時差が堪えるからね。」

お兄様の提案で それぞれが部屋に 引き上げる。
 


智くんは、ダブルベッドで仲良く眠る子供達に微笑み、
 
「麻有ちゃん、こっちにおいで。」

ともう一つのベッドに 腰掛けて私を抱く。
 
「昨日から ずっと、麻有ちゃんを抱きたかった。」

智くんは、私を強く抱きしめる。



プールで泳いだ智くんは、水の匂いがした。

私は、智くんの胸に顔を寄せて 智くんの鼓動を聞く。
 

「幸せだね。愛の音が聞こえるよ。」

私は 抱かれたまま そっと言う。
 
「麻有ちゃんの音も、聞かせて。」

今度は、私が智くんの頭を 抱き寄せる。
 

「やばいね。俺、解放され過ぎ。」


智くんに甘く言われて 私も反応してしまう。


ハワイの昼間、眠る子供達の隣で 私達は 静かに愛を交わす。



そして、いつの間にか眠ってしまった。
 



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