ノクターンⅡ
「て言うか、貯金増やしたって?麻有ちゃん すごくない?」
お兄様は いつも耳が早い。
みんなも興味津々で頷いている。
「本当に、すごいんだよ。今回の話しが出て 麻有ちゃんが見せてくれたの。俺を安心させようとして。マジで びっくりしたね。兄貴、経理お願いした方がいいよ。」
智くんが自慢してくれる。
私に笑顔を向けながら。
「そんな事ないんです。お父様達のおかげです。贅沢に生活しても 使いきれないんです。」
私は 言い訳するみたいに 必死で言う。
そんな私を 智くんは 愛おし気に見つめてくれる。
「あっ そうだ。麻有ちゃんの車買ったんだ。うまくいけば、年内に納車できるかも。」
智くんは、得意気に言う。
「よかったわ。あの大きな車じゃ、麻有ちゃん 動かすの 大変だったでしょう。これからは、もっと乗れるじゃない。」
お母様は 本気で安心した顔をする。