きっとこれは眠れない恋の証明。
そこまで言うと、京は一瞬ピタリと固まって、スプーンをテーブルに置いた後私の方に向き直った。
「あ…」
京にじっと見つめられ、まるで視線を絡めとられたように京から目を逸せなくなる。
あっと思った時には京の手が私の頬に触れていた。そして、そのまま優しく引き寄せられる。
「多分は余計だろ」
そう唇の上で囁かれ、全身が心臓になってしまったかのようにドキドキする。
「待たせてごめんな」
私から京への人生で初めての告白に、京は優しい口付けで応えてくれた。
京の事が好き。
恋なんて言葉じゃ、好きなんて言葉じゃ足りないくらい、こんなにも大切で大好き。
───これはきっと、眠れなかった恋の話。
fin.


