きっとこれは眠れない恋の証明。
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「こんばんは、芝波さん、黒瀬君」
ドレスショップから事務所へ戻り、残った仕事を片付けているとあっという間に砂川さんとの約束の時間はやってきた。
事務所を出ると、出てすぐのところに車がとまっていて、そばに砂川さんが立っていた。
「こんばんは。わざわざ迎えに来ていただいてありがとうございます」
「いやいや、俺から誘ったんだし当然」
そう言って砂川さんが爽やかに微笑む。
「じゃあ早速行こうか。黒瀬君、ちょっと芝波さんかりてくね」
「…はい」
事務所の外まで見送りに来てくれていた京に砂川さんがそう声をかけ、車の助手席のドアを開けてくれた。ありがとうございますと言いながら助手席に乗り込む。砂川さんがドアを閉めてくれた後に運転席につき、そのまま車が発進した。
改めて考えると普段京以外の人が運転する車にはあまり乗らないから、少しだけ緊張する。
車にはあまり詳しくはないけれど、きっと良い車なんだろうなぁという事はなんとなく私にもわかった。