いもうと
いもうと・2
時は、8月最後の土曜日のことであった。
アタシ・ゆきみ(19歳)は、大好きなおにいちゃん(みきお・34歳・会社員)と一緒に高松市福岡町のイオンの中にある映画館に行った。
アタシが楽しみにしていたイギリスのラブロマンスの映画をふたりで一緒に見に行く予定であった。
おにいちゃんのお休みが取れた。
久しぶりにおにいちゃんに甘えることができるので、朝からルンルン気分になっている。
映画は4時から始まる回を見るので、それまでの間はおにいちゃんと一緒にショッピングモール内でデートを楽しむ。
最初にやって来たアクセサリーの店にて…
かわいいアクセサリーがたくさんならんでいたので、どれにしようか迷っていた。
おにいちゃんは、ソワソワしながらアタシを待っていた。
「ゆきみ…ゆきみまだなのかよ?早く選べよ。」
「おにいちゃん待っていてよぉ…ゆきみ、どれにしようか迷っているのよぉ…」
アタシは、どれを買おうかなとアレコレ迷っていた。
20分の間、どれにしようか迷ってオキニのアクセサリーを見つけた。
アタシは、おにいちゃんにお願いして買ってもらった。
アクセサリーショップを出た後、アタシはおにいちゃんの右手に寄り添って甘えながら歩いていた。
今日のアタシのデート着は、おにいちゃんが大好きなベージュの小花柄のワンピを着て、髪の毛にピンクリボンのカチューシャを着けて、白のトートバックを右手に持って、足にオシャレなサンダルをはいてコーディネートした。
アタシは、ついうれしくなってお兄ちゃんにねだってアレコレ品物を買ってもらった。
お昼は、SCモール内にあるオシャレなイタリー料理の店で日替わりのランチセットでランチを摂った。
ランチのあと、オシャレなカフェで映画が始まる時間までひとときを楽しんでいた。
それから三時間後のことであった。
映画が始まる30分前に、アタシとおにいちゃんは映画館へ向かっていた。
その時にアタシは、SCモール内にあるオシャレなブティックのショウウィンドウにかざられていた秋冬物のファッションが気になったので、アタシはショウウィンドウの前に立ち止まった。
アタシは、この時おにいちゃんとはぐれたことに気がついていなかった。
「おにいちゃんお待たせ…えっ…うそ…おにいちゃん…おにいちゃんがいない…どうしよう…」
おにいちゃんとはぐれたアタシは、大パニックにおちいった。
同じ頃、おにいちゃんは映画館に着いていた。
この時、アタシがいないことに気がついたので、あわてて映画館の外へ出てアタシを探しに行った。
おにいちゃんとはぐれたアタシは、迷子の案内所に来ていた。
アタシは、ブティックの近くにあるモールの通りのベンチに座って、くすんくすんと泣いていた。
その時、通りがかりのカップルさんに保護されて、迷子の案内所にやって来た。
迷子の案内所には、アタシと一緒に迷子になった小さなお子さまが3~4人いた。
アタシはこの時、5つくらいの時のことを思い出した。
アタシが5つの時、おにいちゃんに連れられてここ(福岡町のイオン)に来たとき、おもちゃ売り場に置かれていたお人形さんの前で足が止まった。
この時、迷子になっていることを忘れてお人形さんに夢中になっていた。
そしてアタシは、おにいちゃんとはぐれて迷子になった。
アタシは、その場に座り込んでくすんくすんと泣いていた。
その時も、通りがかりのカップルさんに保護されて、迷子の案内所へ来た。
あの時も、おにいちゃんを待っていた。
やがて、迷子の案内所に迷子になっていた3~4人の小さなお子さまのお母さまたちが迎えにこられた。
アタシは、おにいちゃんに会いたい一心で泣いていた。
おにいちゃんに会いたい…
おにいちゃんに会いたいよ…
アタシは、おにいちゃんに会える時をひたすら待ち続けていた。
それから40分後のことであった。
迷子の案内所に、おにいちゃんがアタシを迎えに来た。
「ゆきみ、ゆきみ…ああ…よかった…無事に見つかってよかった。ゆきみ…」
「おにいちゃん…おにいちゃん…おにいちゃん…」
おにいちゃんに抱きついたアタシは、声をあげてワーワーと泣いていた。
「おにいちゃん…ゆきみ…おにいちゃんに会いたかった…おにいちゃん…」
「オレも…ゆきみに会いたかった…」
結局、アタシが楽しみにしていた映画はアタシが迷子になった騒ぎでフイになった。
その日の夕方5時半のことであった。
アタシとおにいちゃんは、イオンの近くにある岸壁に行って、お話しをしていた。
「楽しみにしていた映画がアタシが迷子になった騒ぎでフイになっちゃったわ…おにいちゃん…ごめんね…」
アタシはくすんとした表情でおにいちゃんにあやまった。
おにいちゃんは、ほほえみをうかべながらアタシに言うた。
「ゆきみ…お前が5つの時に…おもちゃ売り場に置かれていた人形に夢中になって…迷子になったことがあったね…あの時、お前が楽しみにしていたアニメ映画を見る予定だった…あの時と同じだね…」
「おにいちゃん。」
「オレ…前々から気になっていた…ゆきみのことが…気になっていた…ゆきみ…何回も何回も迷子になっていたよな…そのたびにオレ…何て言えばいいのかな…オレ…ゆきみに…恋をした…オレは妹に…恋をした…ようだな…」
おにいちゃんの言葉を聞いたアタシは、乳房(むね)の奥がキュンとしめつけられて苦しくなった。
「おにいちゃん…おにいちゃん…アタシ…」
アタシは、思い切っておにいちゃんの胸に抱きついた。
「おにいちゃん。」
「ゆきみ。」
「おにいちゃん…アタシ…おにいちゃんのことが好きなの…だから…どこへも行かないで…」
「ゆきみ。」
おにいちゃんは、アタシをギュッと抱きしめて、激しいキスをした。
おにいちゃん…
迷子になったアタシを迎えに来てくれてありがとう…
おにいちゃん…
大好きよ…
【おしまい】
アタシ・ゆきみ(19歳)は、大好きなおにいちゃん(みきお・34歳・会社員)と一緒に高松市福岡町のイオンの中にある映画館に行った。
アタシが楽しみにしていたイギリスのラブロマンスの映画をふたりで一緒に見に行く予定であった。
おにいちゃんのお休みが取れた。
久しぶりにおにいちゃんに甘えることができるので、朝からルンルン気分になっている。
映画は4時から始まる回を見るので、それまでの間はおにいちゃんと一緒にショッピングモール内でデートを楽しむ。
最初にやって来たアクセサリーの店にて…
かわいいアクセサリーがたくさんならんでいたので、どれにしようか迷っていた。
おにいちゃんは、ソワソワしながらアタシを待っていた。
「ゆきみ…ゆきみまだなのかよ?早く選べよ。」
「おにいちゃん待っていてよぉ…ゆきみ、どれにしようか迷っているのよぉ…」
アタシは、どれを買おうかなとアレコレ迷っていた。
20分の間、どれにしようか迷ってオキニのアクセサリーを見つけた。
アタシは、おにいちゃんにお願いして買ってもらった。
アクセサリーショップを出た後、アタシはおにいちゃんの右手に寄り添って甘えながら歩いていた。
今日のアタシのデート着は、おにいちゃんが大好きなベージュの小花柄のワンピを着て、髪の毛にピンクリボンのカチューシャを着けて、白のトートバックを右手に持って、足にオシャレなサンダルをはいてコーディネートした。
アタシは、ついうれしくなってお兄ちゃんにねだってアレコレ品物を買ってもらった。
お昼は、SCモール内にあるオシャレなイタリー料理の店で日替わりのランチセットでランチを摂った。
ランチのあと、オシャレなカフェで映画が始まる時間までひとときを楽しんでいた。
それから三時間後のことであった。
映画が始まる30分前に、アタシとおにいちゃんは映画館へ向かっていた。
その時にアタシは、SCモール内にあるオシャレなブティックのショウウィンドウにかざられていた秋冬物のファッションが気になったので、アタシはショウウィンドウの前に立ち止まった。
アタシは、この時おにいちゃんとはぐれたことに気がついていなかった。
「おにいちゃんお待たせ…えっ…うそ…おにいちゃん…おにいちゃんがいない…どうしよう…」
おにいちゃんとはぐれたアタシは、大パニックにおちいった。
同じ頃、おにいちゃんは映画館に着いていた。
この時、アタシがいないことに気がついたので、あわてて映画館の外へ出てアタシを探しに行った。
おにいちゃんとはぐれたアタシは、迷子の案内所に来ていた。
アタシは、ブティックの近くにあるモールの通りのベンチに座って、くすんくすんと泣いていた。
その時、通りがかりのカップルさんに保護されて、迷子の案内所にやって来た。
迷子の案内所には、アタシと一緒に迷子になった小さなお子さまが3~4人いた。
アタシはこの時、5つくらいの時のことを思い出した。
アタシが5つの時、おにいちゃんに連れられてここ(福岡町のイオン)に来たとき、おもちゃ売り場に置かれていたお人形さんの前で足が止まった。
この時、迷子になっていることを忘れてお人形さんに夢中になっていた。
そしてアタシは、おにいちゃんとはぐれて迷子になった。
アタシは、その場に座り込んでくすんくすんと泣いていた。
その時も、通りがかりのカップルさんに保護されて、迷子の案内所へ来た。
あの時も、おにいちゃんを待っていた。
やがて、迷子の案内所に迷子になっていた3~4人の小さなお子さまのお母さまたちが迎えにこられた。
アタシは、おにいちゃんに会いたい一心で泣いていた。
おにいちゃんに会いたい…
おにいちゃんに会いたいよ…
アタシは、おにいちゃんに会える時をひたすら待ち続けていた。
それから40分後のことであった。
迷子の案内所に、おにいちゃんがアタシを迎えに来た。
「ゆきみ、ゆきみ…ああ…よかった…無事に見つかってよかった。ゆきみ…」
「おにいちゃん…おにいちゃん…おにいちゃん…」
おにいちゃんに抱きついたアタシは、声をあげてワーワーと泣いていた。
「おにいちゃん…ゆきみ…おにいちゃんに会いたかった…おにいちゃん…」
「オレも…ゆきみに会いたかった…」
結局、アタシが楽しみにしていた映画はアタシが迷子になった騒ぎでフイになった。
その日の夕方5時半のことであった。
アタシとおにいちゃんは、イオンの近くにある岸壁に行って、お話しをしていた。
「楽しみにしていた映画がアタシが迷子になった騒ぎでフイになっちゃったわ…おにいちゃん…ごめんね…」
アタシはくすんとした表情でおにいちゃんにあやまった。
おにいちゃんは、ほほえみをうかべながらアタシに言うた。
「ゆきみ…お前が5つの時に…おもちゃ売り場に置かれていた人形に夢中になって…迷子になったことがあったね…あの時、お前が楽しみにしていたアニメ映画を見る予定だった…あの時と同じだね…」
「おにいちゃん。」
「オレ…前々から気になっていた…ゆきみのことが…気になっていた…ゆきみ…何回も何回も迷子になっていたよな…そのたびにオレ…何て言えばいいのかな…オレ…ゆきみに…恋をした…オレは妹に…恋をした…ようだな…」
おにいちゃんの言葉を聞いたアタシは、乳房(むね)の奥がキュンとしめつけられて苦しくなった。
「おにいちゃん…おにいちゃん…アタシ…」
アタシは、思い切っておにいちゃんの胸に抱きついた。
「おにいちゃん。」
「ゆきみ。」
「おにいちゃん…アタシ…おにいちゃんのことが好きなの…だから…どこへも行かないで…」
「ゆきみ。」
おにいちゃんは、アタシをギュッと抱きしめて、激しいキスをした。
おにいちゃん…
迷子になったアタシを迎えに来てくれてありがとう…
おにいちゃん…
大好きよ…
【おしまい】