熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします
「うう……。ちょう助くんが可愛すぎて尊い……」
「尊い?」
「ごめん、完全にこっちの話だから気にしないで……」
ちょう助は首を傾げたが、花は目に滲んだ涙を拭うと小さく笑って、再び静かに口を開いた。
「ちょう助くん、本当にありがとう。それじゃあ……早速、お言葉に甘えてもいいかな?」
「え?」
「あのさ、傘姫のことなんだけど……。なんとかもう一度、傘姫の想い人に会わせてあげることってできないのかな?」
突然の花の問いに、ちょう助は目を丸くして固まった。
もちろん花自身も、自分が無理難題を言っているとは重々承知の上だが、神様の世界ならではの、何か打開策があるかもしれないという僅かな望みも抱いての質問だった。