悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 たしかに読み書きすらできないのであれば、まともな職場を見つけるのは難しい。

(私も、そこまでは考えていなかった)

 ソニアの様子をうかがえば、真っ青になっている。

「どうしたの?」
「あ……、許してください……!」

 ソニアの目から、大粒の涙がぼろぼろと落ちた。

「私、言えないんです! 言うと叩かれるから!」
「誰もあなたを叩いたりしないのだから、落ち着きなさい。それに、あなたが字を読めないのは、私は知っているのだから今さらごまかす必要もないでしょ」

 レオンティーナがハンカチを差し出すと、ソニアは首を左右に振った。

「施設長がそう言ってました! 私がぼろを出すと、施設長が偉い人に叱られるから! だからちゃんとやりなさいって――!」
「大丈夫。何かあっても、私が守るから」

 ソニアの目にハンカチを押し付けながら、レオンティーナはヴィルヘルムへ顔を向ける。

「それで、今日来てもらったんだ。ソニアには、証人になってもらいたい」
「証人、ですか……」
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