悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「僕が頼んで、バルダート大公にあの施設の実態を調査してもらったんだ。大公からも、調査が必要だと陳情があったからね。その結果、施設長は国から提供された金銭を着服していた。貴族達からの寄付金もね」

 ヒックヒックというソニアのしゃくりあげる声だけが響いている。

「ソニア、君に証人を頼めるかな? これは僕からのお願いだ」
「わ、私が……証人になったら、どうなるんでしょう」

 レオンティーナの渡したハンカチで目を押さえたソニアは、ヴィルヘルムの方へ向き直った。

「施設長は首だ。厳罰に処する」

 それでもなお、ソニアはためらっていた。そんなソニアの背中を押すように、父が言葉を重ねる。

「君は、バルダート大公家が責任をもって守る。証言してくれないかな」
「わかりました……できるだけのことはします」

 父の説得も一役かったのだろう。レオンティーナのハンカチを掴んだまま、ソニアは勢いよく頭を下げた。
 何度も、何度も頭を下げるものだから、そのうち倒れるのではないかと不安になる。

「ソニア、もういいわ。殿下は、あなたの気持ちをちゃんと受け止めてくださったから」

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