悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 文字を静かに追うというのも慣れていないだろうし、今回はしかたないだろう。

「それなら、慣れてちょうだい。しばらくここに通うから」
「頑張ります!」
「静かになさい」

 低い声でレオンティーナはたしなめる。こんなことでは、これから先うまくやっていけるのかどうか心配だ。
 だが、ソニアをここに連れてくればそれだけ早く文字を習得してくれるだろう。長い目で見てやらなければ。


 皇宮の中には、大公家のために用意されている部屋もある。
 午後のお茶は、皇宮でいただいてから戻ることに決めてあったから、その部屋に入った時にはテーブルの上に茶菓子が並べられていた。

「……お腹が空いてしまったわ」

 白を基調とした、明るく清潔感のある部屋に入り、レオンティーナは胃のあたりをおさえた。夢中になっていたから気づかなかったが、かなり空腹だ。
 生まれてこのかた、これだけ熱心に本を読んだことはなかったと思う。
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