悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 部屋を整える合間には、母の散歩に付き合い、医師から母の健康状態について報告を受け、もちろん家庭教師との勉強も忘れてはいけない。
 そんなあわただしい日々が続き、父が再び戻ってきたのは、出産予定日まで十日ほどとなってからだった。母の出産が終わるまで、こちらにとどまるのだという。
 そして、予定していた通りに、ヴィルヘルムとルイーザが父に同行していた。母は、体調が悪く臥せっていて、あいにく出迎えに出ることはできなかった。

「大公、奥方のところに行ってあげてくれ。一人でいるのは心細いだろう」
「殿下、感謝いたします」

 馬車を降りるなり、父は母のところに行ってしまったから、ヴィルヘルムとルイーザを案内するのは、必然的にレオンティーナの役となってしまった。

(皇族の方々を放置するなんて、お父様ちょっと気が抜けているんじゃないの?)

 母のことを心配するのはいい傾向だが、皇族を放置するというのはいかがなものか。

「ヴィルヘルム殿下、ルイーザ殿下。おふたりをお招きできて、光栄です」

 レオンティーナのそんな心情に気づいているのかいないのか、ヴィルヘルムは悪びれない笑みを向けた。

< 179 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop